【保存版】金属加工の種類と特徴◆加工素材や必要な資格についても紹介

  • 「金属加工ってどんなやり方があるんだろう?」
  • どんな素材が加工されるんだろう」

ひとことに金属加工といっても知れば知るほど奥が深く、悩む気持ちわかります。

加工方法は日々進化を続け、加工する素材もどんどん新しいものが生まれています。

ここでは

  • 金属加工の種類
  • 素材の特徴

をご紹介します。

金属加工とは?

金属加工とは、製品を作るときに使用する金属加工を加えることです。

この技術は私たちの生活には欠かせないとても重要な技術です。

  • スプーンやフォーク
  • アルミ缶
  • ネジ
  • 電化製品
  • 自転車やバイク

身近な物のほとんどに金属加工は関わっています。

金属加工の種類はまず2つに分けられる

金属加工と言っても目的もさまざま。
おおきく分けると

  • を変える加工
  • 性質を変える加工

があります。

これら金属に対する加工すべて金属加工と呼ぶことができます。



【形を変える加工】の特徴

まずは形を変える加工からご紹介します。
世間でもよくある金属加工のイメージとして
「火花を散らしながら切っている」
「高温で溶かして型に入れる」
といったイメージはあると思います。

形を変える加工はさらに

  • 切る、くっつけるなどのやり方で加工する方法
  • 金属の特性をいかして加工する方法

に分けることができます。

切る、くっつける 機械・除去加工 ・機械加工
・熱加工
・化学加工
付加加工 ・被覆加工
・複合加工
金属の特性を活かす 成形加工 ・鋳造加工
・塑性加工
その他 ・3D加工

次にそれぞれの特徴代表的な加工方法をご紹介します。



①機械・除去加工

形を変える加工の中でも代表的な金属加工方法です。 工作機械切削工具を使って加工を行います 。



◆切削加工(せっさく加工)

旋盤フライス盤などの刃物を用いた加工します。
素材を機械で回転移動させながら削ることで、精密な部品を作ることができます。

自動制御できる工作機械であれば大量生産も可能ですが

  • 加工に時間がかかる
  • 材料を削り取るためムダが出る

といった面もあります。

機械加工には

  • 旋盤機を使用し切削工具を押し当てて外周を削ったり穴をあけるなどの施盤加工
  • ねじのギザギザ部分を作るねじ切り加工
  • 材料の表面を滑らかに仕上げる研磨(研削)加工

などがあります。



②付加加工・接合加工

材料同士をつなげる加工方法。

  • 部品や材料を組み立てる
  • 強度を増やす
  • 機能を追加する

などの時に使用され速く・安く仕上げることができます。



◆溶接

金属の部材同士を

  • 圧力

を加えることにより接合させる加工方法です。



◆ロウ付け

金属と金属の間に、溶かしたロウを流し込み、冷やし固めて接合する方法です。
金属そのものは溶かさない点が特徴で、見た目にもキレイに仕上げることができます。



◆はんだ付け

はんだを接着剤のようにして金属同士を接合する加工方法です。

ロウは融点が450度以上ですが、はんだは450度以下の低温
材料へのダメージが少なく迅速で精密な接合ができます。



③成形加工

金属に

  • 圧力

を加えて変形させる加工方法。

変形なので切りクズが出ることがなく、加工の前後で質量も変わらないのが特徴。



◆鋳造(ちゅうぞう)

高い温度で熱して液体にした後、型に流し込み冷やすことで目的の形状に固める加工方法です。
大量生産に向いています。



◆塑性(そせい)加工

金属に圧力をかけて目的の形に変形させる加工方法です。

塑性とは
「力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質」
のことをいいます。

さらにこの加工は代表的な方法に、

  • 金属の板材を金型ではさみ、プレス機械で加圧するプレス加工
  • 金属をハンマーやプレスで叩くこと強度が高める鍛造(たんぞう)

があります。



④その他:金属3Dプリンター
特徴 粉末金属をレーザー・電子ビームなどの熱源を使い層状に溶解・固化させる加工方法。
素材 粉末金属
・チタン合金
・ステンレス鋼
・アルミニウム

複雑な形の金属部品を造ることができ

  • 航空宇宙
  • 医療
  • 自動車産業

などにも使われています。
特注品の製造にの加工にもおすすめです。



【性質を変える加工】の特徴

熱すると溶け・冷すると固まる金属の性質を活かして加工。
金型製作が必要なため初期費用がかかりますが、大量生産することが可能です。

性質を変える加工 熱処理加工
表面加工


①熱処理加工

素材を加熱・冷却することによって、形を変えるのではなく素材の性質そのものを変化させます。



②表面処理

錆の発生を防ぐ、表面の硬化や見た目をキレイにするなどのための加工。

  • メッキ
  • 溶射(ようしゃ)
  • 化成処理

 などの方法があります。
 身近にあるネジにも、いろいろな目的でメッキなどの表面処理が施されます。



素材の特徴とは?

金属加工ではいろいろな種類の材料をあつかいます。
それぞれの特徴に合わせて用途を選ぶことが大切。

ここではよく使われる金属材料の種類・特徴をご紹介します。



強度、耐久性に優れている素材です。
溶けやすく加工がしやすいのが特徴。

<用途>
  • 工業製品の基本素材
  • 建築
  • 自動車
  • 機械など


アルミニウム

非鉄金属の中でも特によく使われています。
軽量で加工しやすく、錆びにくいのが特徴です。

<用途>
  • モバイル機器
  • 輸送機器
  • 建築材料


ステンレス

金属加工の代表的な素材。
錆びにくく、強度もあります。
100種類以上あるため加工内容・目的に合わせて選ぶことができるのが特徴です。

<用途>
  • 食器・厨房用品
  • 医療機器
  • 構造物


優れた熱伝導性があります。
耐食性と柔軟性を両立しており、加工しやすい素材です。

<用途>
  • 電子機器
  • 家庭電気製品
  • 構造物


チタン

軽量で強度があります。
金属アレルギーを起こしづらい特徴があるため>歯科のインプラント治療にも使われているんです。
そのほかにも

  • 熱伝導率が低く高温・低温に強い
  • 長寿命
  • 複雑な形状も加工可能

といった特徴があります。

<用途>
  • 航空機の機体
  • 歯科のインプラント治療
  • 自動車のエンジンバルブ


金属加工の仕事に必要な資格

金属加工の仕事は、専門的な技術力が必要とされることが多く資格が必要なこともあります。



1、機械加工技能士

国家資格である技能検定のひとつ。
機械加工の分野での技術や知識を証明する資格です。

定期試験は

  • 特級:1級合格後、実務経験5年以上
  • 1級:実務経験7年以上
  • 2級:実務経験2年以上
  • 3級:実務経験6ヶ月以上

と受験資格があり、工作機械等の種類によって区分されています。

そのため

  • 普段作業で行っている人
  • これから技術を学びたい人

の取得がおすすめです。

2、めっき技能士

こちらも国家資格である技能検定。

技能検定試験においては

  • 電気めっき作業
  • 溶融亜鉛めっき作業

職業能力開発促進法により、めっき技能士資格を持っていないものがめっき技能士と称することは禁じられています。



3、溶接技能者・溶接管理技術者

「溶接技術に関する技術知識と 施工及び管理に関する職務能力を持った技術者」のための資格です。

工場認定や官公庁における工事発注をうけるための必須条件として

  • 認証者保有
  • 常駐

を要求されています。

  • 建築鉄骨
  • 橋梁
  • 圧力容器
  • 造船
  • 海洋構造物
  • 重機械
  • 化学プラント
  • 発電設備等エネルギー施設など

あらゆる産業分野における溶接関係者各位に、取得することが進められている資格です。
(参照:溶接管理技術者について/一般社団法人 日本溶接協会



まとめ

現代では生活に欠かすことのできない存在の金属。
金属加工なしでは、生活が成り立たないと言えるでしょう。

今回は

  • 金属加工について
  • 加工ごとの特徴
  • 素材について
  • 金属加工をする人に必要な資格

について紹介しました。

最後に切削加工では材料を削ることで必ず「切りくず」が排出されます。 この切りくずのことを切粉といいます。

機械加工現場で発生する鉄・アルミ・銅・チタンなどの切粉は

  • チップコンベヤが異常停止してしまう
  • 切粉受け箱が直ぐに満杯になってしまう
  • コンベヤの屈曲部に大きな切粉が詰まり異常停止してしまう
  • 集中チップコンベヤの乗継部分で切粉が詰まってしまう

原因となります。

遠藤工業の切粉破砕機は切粉を破砕することで

  • 稼働効率の向上
  • 切粉の運搬回数削減
  • コンベヤの異常停止の防止

に役立ちます。

破砕物        :鍛造アルミ切粉(旋盤)
破砕目的       :減容(マテハン削減)
破砕後の粒度/減容率 :1/3
処理量(計算値)   :6kg/h ※破砕物の性状や投入条件によって破砕能力は大きく変動いたします。
型式         :ECS17-42型
破砕室寸法      :幅410mm x 奥行250mm
モータ容量      :0.75kW
参考外形寸法     :W 1170mm x L 825mm x H 1130mm ※外形寸法については設置スペースをヒアリングさせていただき仕様決定とさせて頂きます。

切粉破砕機の紹介(アニメ)

投入・排出コンベヤ、圧縮機、クーラント 回収装置などをセットして、
切粉破砕から脱油までトータルに処理するシステムも、ご提案可能です。
気になる方は一度ご相談下さい。